- 本データベースは東京文化財研究所刊行の『日本美術年鑑』に掲載された彙報・年史記事を網羅したものです。
- 現在、2019年/平成31(令和元)年まで公開しています。(記事件数
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1990年07月 高村光太郎大賞展を発展的に解消して設立されたロダン大賞展の第3回展が8日より長野県美ケ原高原美術館で開かれ、31ケ国442点の応募作品の中から各賞の受賞者が選ばれた。大賞はギリシアの彫刻家フォティスの「両性をそなえたトルソ」、特別優秀賞はメキシコのエルネスト・アスカラテによる「女の習作」、ベルギーのトム・フランツェンによる「比喩1」、綿引道郎の「憩う時」、杉山惣二の「暦」がそれぞれ受賞。そのほか、優秀賞5点、彫刻の森美術館賞8点、美ケ原高原美術館賞8点、上野の森美術館賞8点が選ばれた。
1990年07月 「鉄腕アトム」「火の鳥」などで知られる漫画家手塚治虫の仕事を1500点の原画によって回顧する「手塚治虫展」が20日より9月2日まで東京国立近代美術館で開かれた。国立の美術館が漫画展を開催するのは初めてで、視覚芸術の分野の多様化を反映した試みである。同展はこの後、愛知県文化会館美術館(9.8-25)、神戸市立博物館(10.6-11.12)、福岡市美術館(91年4.3-5.6)を巡回した。
1990年07月 1960年代から現代までに活躍した国内外の作家69名の作品200余点による「ファルマコン’90幕張メッセ現代の美術展」が28日より千葉市の幕張メッセで行なわれた。作家の選定には同展実行委員会が当たり、総面積13500平方メートルの大会場に特定のテーマや企画性を持たせずに作品を展示する方針で構成。大規模な絵画・彫刻・インスタレーション等が出品され、現代美術の一断面を示す展観となった。
1990年07月 現代の美術の発展に寄与する目的で設立された岡田茂吉賞の第3回目の受賞者が選ばれ、その業績を発表する展覧会が14日よりMOA美術館で行なわれた。大賞は、絵画部門(日本画)が下保昭、工芸部門が織物作家の北村武資、優秀賞は日本画家の土屋礼一と陶芸家の滝口和男が、それぞれ受賞した。
1990年07月 9日午前3時20分ごろ、秋田市寺内大畑68、秋田県護国神社から出火し木造の本殿3棟約300平方メートルを全焼した。また、31日未明、奈良県大和高田市片塩町の石園座多久虫玉神社の木造平屋建て拝殿、本殿、付属施設計約170平方メートル、同県御所市室1332の室・八幡神社の木造平屋立て本殿約20平方メートル、同県橿原市見瀬町庄屋垣内718の牟佐坐神社本殿、木造社など2棟約4平方メートルが全焼した。いずれも皇室ゆかりの神社であることから、今秋の即位の礼、大嘗祭との関連が指摘されている。
1990年07月 文化財保護審議会(斉藤正会長)は20日、建造物関係の重要文化財として新たに次の12件32棟を国の重要文化財に指定するよう、保利耕輔文相に答申した。これによって建造物の重要文化財は2061件3367棟となる。洋風建築-旧金沢陸軍兵器支廠(金沢市)、寺院建築-正法寺(岩手県水沢市)、昆沙門堂(同東和町)、天台寺(同浄法寺町)、生善院観音堂(熊本県水上村)、神社建築-日高神社本殿(岩手県水沢市)、老神神社(熊本県人吉市)、山田大王神社(同山江村)、民家建築-多聞院伊沢家住宅(岩手県和賀町)、上芳我家住宅(愛媛県内子町)、本芳我家住宅(同)、大村家住宅(同)。
1990年06月 天台寺門宗の祖智証大師円珍の入寂1100年を記念し、三井寺(園城寺)の秘宝を出陳した展覧会が、12日から7月22日まで京都国立博物館で開催された。同展には、黄不動尊をはじめとする彫刻、仏画、障屏画、書籍、工芸など100余点が展示された。なお同展は、名古屋市博物館(4月21日~5月27日)東京国立博物館(8月7日~9月16日)でも開催された。
1990年06月 第15回吉田五十八賞の選考が行なわれ、79件の推薦作品の中から受賞者が選ばれた。建築の部は柳沢孝彦の「真鶴町立中川一政美術館」、特別賞は伝統建築や大工道具を撮影し続けている写真家の岡本茂男が受賞。建築関連美術の部は該当者がなく、賞与は行なわれなかった。
1990年06月 平成5年の総合開館に向け、昭和63年から現在までの収集作品約6000点を一般公開するため、東京都写真美術館が1日、暫定開館した。建物は東京恵比寿のサッポロビール催事施設「ファクトリー2」を改修したもの(東京都渋谷区恵比寿4-19-24)で、写真専門の公立美術館としては初めてのものとなる。 また彫刻家佐藤忠良が寄贈した代表作品群ほかの資料を展示する佐藤忠良記念館も、同じく1日、宮城県美術館に隣接して開館した。
1990年06月 昭和から平成に変わり、歴史を見直す機運の高まる中、6日、講談社(『日本美術全集』全24巻)、小学館(『新編・名宝日本の美術』全33巻)がともに大型の美術全集の配本を開始。学習研究社も昨年11月から『人間の美術』(全10巻)を刊行しており、美術全集が新たなブームを迎えている。
1990年05月 バブル経済による日本企業の絵画購入がとり沙汰される中、15日ニューヨーク・クリスティーズの競売会で、ゴッホが死の6週間前に描いた「医師ガシェの肖像」が、史上最高の125億円で日本人に落札された。 絵画がついに100億円をこえたことと共に、金余り現象の日本企業が、投機目的で絵画市場に参入するケースの増えていることが、新たな問題として浮上しつつある。
1990年05月 5月20日、日本画壇の長老奥村土牛のデッサンを集めた奥村土牛記念美術館(長野県南佐久郡八千穂村大字穂積1429-1)が開館した。
1990年05月 百貨店高島屋は、美術振興と国際文化への寄与を目的に、公益信託「タカシマヤ文化基金」を設立した。基本財産は8億円で、新鋭作家、シンポジウムなどの助成や、内外美術文化の発掘・振興への支援を行なう予定。
1990年05月 欧米で高い評価を得ている北斎の肉筆画についての国際討議が、2日から4日までの3日間、イタリアのヴェニスで行なわれた。ヴェニス大学、ニューヨークのコロンビア大学ドナルド・キーン・センター、ヴェニスの国際北斎研究センターが主催となった同会議には、各国の研究者が集まり、充実した討議が行なわれた。
1990年05月 有光次郎前院長の高齢による辞任に伴い、日本芸術院は15日院長選挙を行なった結果、元文化庁長官、元東京国立近代美術館館長の犬丸直を新院長に選出した。
1990年05月 大日本インキ化学工業株式会社の社長が3代にわたって収集した国内外の美術品約800点を収蔵展示する川村記念美術館(千葉県佐倉市坂戸631)が、2日開館した。コレクションの内容は多岐にわたるが、中心的な柱は、カンディンスキーらコンテンポラリー・アート。
1990年04月 国際図書館連盟の資料保存国際センターは、酸性紙や音響機器の世代交代などによる資料の劣化や消滅に国際的規模でとりくんでいるが、このほどそのアジア地域センターとなった国立国会図書館は、1990年を「文化保存元年」として、資料保存に本腰を入れることになった。当面は、酸性紙による劣化の著しい明治期刊行の蔵書16万冊のマイクロフィルム化を進める。
1990年04月 16日、島根県津和野町に葛飾北斎美術館が開館した。同美術館は、永田生慈収集のコレクション約600点と寄託作品約400点を中心に、常設展示と、長野県小布施の北斎館などとの連合企画展を行なう予定。
1990年04月 中国から舶載された画譜や日本で刊行された画譜・絵手本が、近世絵画に与えた影響をさぐる展覧会が19日から6月17日まで、開館3周年を記念して町田市立国際版画美術館で開催された。画譜、絵手本類を版画と見なした同館ならではの企画だが、本画と手本の関係をさぐるユニークな展覧会となった。
1990年04月 新進作家の登竜門として知られる日本国際美術展が、24日から5月7日まで東京都美術館で開催された。778作家1516点の応募作品の中から、平面部門142点、立体部門35点が入選し、竹内孝和の立体作品「重層」が大賞に、佐藤時啓の平面作品「Breath-graph 1」が美術文化振興協会賞にそれぞれ選ばれた。